33話
一切ブレスをせずに、一息で言ってしまった。
…………
「どうしました、昇君? そんな顔をして」
字久の指摘で自身の顔が強張っている事に気付いた昇は、どうにか取り繕うように言葉を紡ぐ。
「いえ。ちょっと考え事をしていただけです。続きを」
ではお言葉に甘えて、と字久。
「次に類感呪術ですが、これは現代では廃れていますね。大体人型を象って相手を殺せる位なら、呪いを使って殺人を犯した場合『形の似たものは、相互に影響を及ぼしあう』の法則から言って、大多数の人間が死ぬはずです。人形より人間の方が当然人間に似通っているのですから。はっきり言って論外です。これは完全にプラシーボ効果の一環だと考えて良いと思います」
ほっ、と昇が軽く息をついたことに二人は気付いていないようだ。
「さて、では昇君の見解を聞かせて頂きましょう。興味深い意見を期待し」
そこではたと字久は何かに気付いた様に自身の左腕の袖を捲り、腕時計を見やる。
「残念ですね、ちょっと約束があるので私はこれで失礼させて頂きましょう。お二人でこの議論はまとめて置いてください。では」
そう言うと字久は脱いだコート片手に颯爽と歩み去っていく。それを確認した司影は昇に耳打ちし、
「おい、どうなんだよ、あいつの論」