44話
(……どうしたもんかな)
昇が考えている内に殺人鬼と仮面が打って出る。接近し、交差すると同時に仮面が剣を相手の喉下に繰り出す。対する殺人鬼は体を落とし紙一重でかわすと、沈んだ反動を利用し、踵を使って背面蹴り。仮面は上体だけを巧みに逸らし、そのまま大きく後方に跳躍。
「我が描きしは零下の剣舞。我が奏でしは凍て付く叫び。無慈悲なる力よ、亡者に永遠の眠りを!」
装着した仮面によってくぐもった声を発しつつ、左手に持っていた剣を空間に閃かせた。剣に刻まれた禍々しい文字は冷たい輝きを灯し、音をたてて氷刃に変貌。弾ける形で無数の氷刃が殺人鬼に降り注ぐ。
高速で降り注がれた死の氷塊を、殺人鬼はナイフで次々と打ち払っていく。氷と刃の輝きが漆黒に幾度も重なる。しかし、その打ち払った氷の刃が地面に突き刺さると、それは床ごと殺人鬼を凍らせ始めた。氷刃は今にも彼を足元から冷たき棺へと追いやろうとしている。だが殺人鬼は一切動じる事無く、凍り始めた足元は無視。眼前の獲物を見つめているだけ。
「全ての源は理なり。影に照らし出せぬ理は一つとして無し。我命ずる理を闇に堕とせ