回想参
こぶしがまっかになるまで、きにうちつけた。
ごん、ごん、って、おおきなおとがなる。
なみだと、ひだりてからでるあかいちが、いっしょなってあめにながされている。
こんなきずがあるからいけないんだ。
これがあるから、ぼくはみんなみたいな『ちから』がつかえないんだ。
こころのなかでごちゃごちゃしたものをはきだすように、ぼくはなんかいもなんかいも、ひだりてをきにうちつける。
でも、きずはきえない。
どれだけなぐっても。
ひだりてのきずも。
こころのきずも。
きえない。
みんなのつめたいわらいごえが、きこえてくる。
それでも、きずをけしたいから、かみなりがなるなか、ぼくはもういちどひだりてをきにうちつけようとした。
ぴかっ、となったかみなりのむこうにかげがみえた。
おおきなかげは、せのおおきなひとだった。
ぼくがきにうちつけようとしたひだりては、しろいてぶくろをしたおおきなてに、すっぽりとうけとめられていた。