39話
メンドいけどな、と付け加えて昇はさっさと歩き出す。
司影がその後に続き、尋ねる。
「じゃあ、もう二つは?」
「モノホンの魔術師が魔術を行使したことで、魔力が一時的に残留しちまうタイプ。これは魔力が行使された後だから、黙っていても方程式がバラバラになっちまう。よって危険はない。ちょっとした探索系の魔術もこのタイプに分類できるな。
もう一つはさっき言った呪いの類。人や、その場に残す事を前提とした魔術・呪術だ。これはマジでヤバイ。相当な魔術師でも迂闊に除去できねえ。消す方法としては方程式を解くというのが一つと、術者を殺すってのがあるな。でも後者を選択すると、術者から『怨念』もらっちまう時があるから、あまり勧められねえ」
(あと一つ、あることにはあるが……まあ、聞いたことはあっても『天狗』や『鬼』なんて実際には見た事ねえし、搭也のジジイにも出来ねえから実質廃れた伝説的な魔術、っつうよりあれこそ『魔法』だな)
「じゃあ……その、悪夢なんてのは呪いの類に入るのか? 予知夢とか、もしくはその『怨念』が影響した関係とかで」
司影のもごもごとした口調を疑問に思いながらも、天井に眼を這わせて、
「夢って一口に言ってもなぁ。危険な場合もあるが、まあほとんどの人は魔術師や残留した『怨念』と関わりが無い訳だから……」